葬儀、告別式の注意点
自分と宗教、宗派が違う
葬儀、告別式に参列する時、自分と故人の宗教が違う場合は、相手に合わせるのが常識となっています。仏式の場合は宗派間でさほど違いが無く安心です。神式は仏式に近い形式のため、そこまで心配する必要もありません。キリスト教式は仏式とは大分違いますが、基本的に教会が主催進行を行うため、そちらに任せておけば問題無いでしょう。
ご厚志お断り
葬儀、告別式の通知を受け取った際、「ご厚志お断り」という文言を目にする場合があります。これは供物、供花、香典は辞退させていただきますという意味なので、それに従い控えるようにしましょう。
受付での作法
受付に行く時は、コートや帽子を脱いで向かいます。短くお悔やみの言葉を述べた後、ふくさから香典を取り出して渡します。会葬者名簿に丁寧に住所、氏名を記帳し、代理の場合は依頼者名を記します。終わったらふくさを仕舞い、一礼して式場へ向かいましょう。
弔辞を依頼されたら
弔辞の構成
弔辞は喪主、遺族から依頼され、快く引き受けるのがマナーとされています。特別な理由が無い限り引き受けましょう。
弔辞の構成は、
①呼びかけ
まずは故人に対し呼びかけの文章から始めます。呼び方は相手との関係で変化し、目上の場合は役職、同年代や年下の場合はさんづけにします。例え年下の後輩であっても、普段通りの呼び方はマナー違反になります。
②驚き
故人の死に対する驚きを表現します。
③故人との関係
生前の自分と故人との関係、思い出やエピソードを盛り込みます。
④実績
故人の生前の実績、功績を称えます。
⑤結び
最後に結びの言葉を言います。残された者としての決意や冥福を祈る言葉、遺族への慰めや励ましの言葉で終わります。
弔辞の捧げ方
弔辞を捧げる際の作法は以下です。
①祭壇前に立つ
司会者から呼ばれたら、静かに祭壇前に進み出ます。
②遺族に礼をする
僧侶、遺族に一礼し、弔辞を開く。
③弔辞を読む
直立不動の姿勢で、弔辞を目の高さに持ってきて読みます。
④礼をして下がる
祭壇に読み終わった弔辞を供え、僧侶、遺族に一礼して下がります。
弔辞を開く時は、包みを左手に持ち、右手で開けて弔辞を取り出し、一端包みの下にして包みを畳みます。そして畳んだ包みを下にし弔辞を広げ読み上げます。
忌み言葉に気を付ける
弔辞では忌み言葉という不幸を連想させる言葉は言い換えるのがマナーです。「度々」などの繰り返す言葉や、「続いて」などの不幸が続くような言葉も使ってはいけません。
使用してはいけない言葉の例
重ね重ね、重々、再び、再三、また、次々、続いて、返す返す、くれぐれも、また、たびたび、しばしば、ますます、死、事故など。
死
死去、急逝、永眠、不帰、没する。故人が若い場合は夭逝(ようせい)、早世。
事故
不慮の出来事、変事、災禍、悲運、危難、奇禍、殉難、殉職。
キリスト教の場合、成仏などの仏教用語を使ってはいけません。
死
昇天、召天、天に召される。
神式でも仏教用語は使いません。
死
帰幽(きゆう)。
火葬の同行
火葬の同行を依頼されたら
普通は一般参列者は火葬には同行しません。しかし、生前故人と親しくしたいた方なら、遺族から同行を依頼される場合もあります。何かどうしても行けない事情でもない場合は、同行するのが礼儀となります。
待合室
火葬中は待合室で待つ事になります。この時は私語を慎み、静かに待ちます。遺族からお菓子やお酒が振る舞われる場合もありますが、決して騒がないように気を付けましょう。
骨揚げの順番
骨揚げは順番があり、遺族、親族、一般会葬者の順になります。骨は二人一組となり共同で行いますが、細かな説明や指示を係員がしてくれますので、それに従えば良いでしょう。
火葬場から自宅へ戻ったら
火葬場から家に帰ってきたら、まず家にいる家族などから水をかけてもらいましょう。そして、体に塩を振って清めます。これは死の穢れを清めるという意味であり、浄土真宗やキリスト教では死は穢れではないため、清めは行いません。
清めの塩は、胸、背、足下の順番で振ります。玄関前に塩を撒いて踏むという清め方もあります。
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