危篤、死亡連絡の対処
危篤の知らせを受けたら
危篤の連絡は、家族が最後に会わせたいと考えている人にするものですから、出来るだけ早くに駆けつけます。この時、うっかり必要な情報を聞き忘れないよう注意しましょう。病院であれば病院の所在地、病室番号、電話番号なども聞いておく必要があります。格好は普段の通りで問題無く、失礼には当たりません。
遠隔地に住んでいる場合は、数日間滞在する事になりますから、そのための準備が必要になります。万が一を考え喪服を用意する事もありますが、家族の感情も考え持参しても伝えない方が良いでしょう。コインロッカーに預けたり、後から来る人に持ってきてもらうなど、相手に対する配慮が必要です。
連絡を受けた際、海外出張などで本人不在の場合は、代理で受けた家族は速やかに本人に連絡を取ります。
死亡の知らせを受けたら
死亡の知らせを受けた時は、故人との関係により対応が変わります。
近親者
故人が近親者である場合、場所を聞いてすぐに駆けつけます。まず遺族にお悔やみを述べ、意気消沈、看病疲れをしている遺族の手伝いを行います。そのまま喪家(そうか)に留まり手伝い場合は、葬儀までに喪服を用意しましょう。
友人、知人
親しい友人知人の場合は、連絡を受けたらすぐに駆けつけます。服装は平服で構いません。友人関係は遺族が分かっていないケースも多いため、この時に連絡役を頼まれる事もあります。さほど親しくない友人、知人程度なら、通夜や告別式の日程、場所などを確認し出席すれば構いません。
近隣者
喪家と親しくしたいた家なら、すぐに駆けつけ、場合によっては裏方仕事の手伝いを申し出ます。それほど親しくないのなら、玄関先でお悔やみを述べて、通夜か告別式に参列します。
会社関係者
故人が職場の同僚、上司、部下、取引先の相手であった場合は、組織の一員として行動します。個人的に故人と親しくしていたとしても、先に弔問するなどは控え、会社の担当部署である総務課などの方針に従い行動するようにします。どうしてもプライベートで弔問したいという場合は、上司などに事情を話し許可を貰いましょう。
すぐには行けない場合
連絡を受けても本人が病気や高齢のため、どうしても行く事が出来ないケースもあるでしょう。そのような際には代理人を立てます。代理人となるのは妻、夫、長男、長女などの家族です。喪家に訪れたら代理の理由を説明しましょう。
代理人を立てない場合は弔電を打っておきます。その後、お悔やみの手紙を出し、自分が弔問や葬儀に参列出来ない事情を説明します。
本人が不在であれば、連絡を受けた家族が速やかに本人に連絡を取ります。
香典の郵送
訃報を受けても何かしらの事情で弔問出来ない場合は、香典を郵送しましょう。不祝儀袋に入れ現金書留で喪主宛に送ります。持参する時と同じように表書き、住所、氏名、金額などを、中の袋に書くのを忘れないようにしましょう。
お悔やみ状
訃報を受けても何かしらの事情ですぐに弔問出来ない場合は、お悔やみ状(弔慰の手紙)を郵送します。先に弔電を打ち、改めて手紙を書いても良いでしょう。
お悔やみ状を書く上での注意点は以下です。
- 喪主が目下、親しい友人であっても、丁重な言葉使いをする。
- 前文は省略し、冒頭から弔慰の言葉を書く。
- 結語は敬具などとし、草々は使いません。
- 忌み言葉は避ける。
お悔やみ状の内容は以下を含めます。
- 逝去を知った時の驚きや悲しみ
- 故人の人柄や功績を忍び惜しむ言葉
- 参列出来ない事に関するお詫び
- 遺族を慰め、励ます言葉
- 故人の死を慎み、冥福を祈る言葉
弔電の打ち方
すぐに弔問出来ない場合は、弔電を打つ事も出来ます。弔電は「115」に電話するか、近くのNTTの支店、営業所、インターネットなどで申し込みます。
受付時間は、店舗なら営業時間内、電話は午前8時~午後10時、インターネットは24時間受け付けています。メッセージは自分で作成するか、弔電用の文例から選びます。
弔電は告別式で読み上げられる事もあるので、発信人の名前を最後に入れます。宛名は喪主にするのが普通ですが、喪主が分からない時は「故○○□□様ご遺族様」とします。弔電は遅くとも葬儀前日には届くようにしましょう。
台紙は無料の物から、豪華な装飾の施された有料の物まで幅広くあります。NTTのサイトに一覧がありますので確認すると良いでしょう。
以下はNTTおくやみ電報の文例一例です。下記以外にも多くの文例があります。
7501 | ○○様のご逝去の報に接し、心からお悔やみ申しあげます。 |
7502 | ○○様のご逝去の報に接し、心から哀悼の意を捧げます。 |
7503 | ○○様の悲報に接し、悲しみにたえません。心よりご冥福をお祈りいたします。 |
ご尊父様 | |
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7521 | ご尊父様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
7522 | ご尊父様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。 |
ご母堂様 | |
7531 | ご母堂様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげます。 |
7532 | ご母堂様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。 |
ご子息様 | |
7541 | ご子息様のご逝去を悼み、謹んでご冥福をお祈りいたします。 |
7542 | ご子息様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。 |
ご令嬢様 | |
7551 | ご令嬢様のご逝去を悼み、謹んでご冥福をお祈りいたします。 |
7552 | ご令嬢様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。 |
弔問欠席 | |
7609 | ○○様の悲しいお知らせに呆然としております。お別れにも伺えず、残念でなりません。心からご冥福をお祈りいたします。 |
友人・先生 | |
7616 | 幼なじみの友との別れの報に接し、悲しみでいっぱいです。たくさんの思い出をありがとう。どうぞ安らかにお眠りください。 |
企業向け | |
7620 | 御社社長様のご訃報に接し、ご生前のご功績に偲び、心からご冥福をお祈りいたします。 |
通夜前の弔問
取り急ぎ弔問の服装
連絡を受け駆けつける段階ですから、平服で大丈夫です。しかし、平服とは言えあまり派手な服装、メイクは慎みます。指輪は結婚指輪以外の物は外し、石が付いておりどうしても外せない指輪であれば、石を内側へ回して隠しておきます。
故人と対面
弔問の際に、遺族から故人と対面を勧められる事があります。その場合、謹んで対面させて頂きましょう。遺族からすれば、まだ気持ちの整理が付いておらず、故人の顔を他人に見せたくないと考えている場合もあります。遺族側の気持ちを尊重するため、対面は自分から言い出さず、遺族から勧められた時にだけ行うのが礼儀です。どうしても対面したいという場合は、十分な配慮をもって遺族にその旨を伝えましょう。
故人との対面では、まず遺体の枕元に近づいて正座し、遺体に向かい両手をついて一礼します。遺族が顔にかかった白布を取ってくれますが、決して自分で取ってはいけません。対面が終わったら深く一礼し、静かに合掌して冥福を祈ります。最後に故人に深く一礼し、遺族にも一礼して退席します。
弔問で注意する事
長居はしない
遺族は看病の疲れ、死亡の精神的ショックにより疲労しているものです。遺族の負担にならないためにも、長居をしない事を心がけましょう。
香典は持っていかない
取り急ぎの弔問時には、香典や供物は持参しません。こんなに早い段階で香典などを持っていくのは、まるで死ぬのを待っていたかのようで失礼に当たりますし、遺族側もまだ受付準備が出来ていない場合もあります。香典や供物は通夜か葬儀に改めて持参しましょう。
慶事と重なった場合
訃報が慶事(喜び事、祝い事)と重なった場合は、上手くやりくり出来るのなら両方出席しても構いません。どちらか一方を選ばなければならない時は、慶事ではなく弔事を優先します。しかし、身内の結婚式が一両日中に迫っていたり、本人が出産間近などの場合は、喪家に配慮し弔問を辞退するのが礼儀となります。遺族側に連絡する場合、「結婚式に出席するので辞退します」といった具体的な慶事に触れてはいけません。
代理人を立てる場合
どうしても本人が事情により参列出来ず、代理人(妻、長男、長女など)が参列する場合は、お悔やみを述べる前に、代理で来た理由を相手に伝えます。受付がある場合は、代理人である旨を告げ、本人(依頼人)の氏名の下に小さく「代」を書きます。香典の表書きも依頼人の名前を書きます。記帳と表書きが違うと、遺族が香典返しの際に混乱してしまうからです。
子供を亡くしている
子供を亡くした家に弔問に行く場合は、決して同じ様な年頃の子供を連れて行ってはいけません。自分の子供が亡くなった子の友人、同級生だった場合は連れて行っても構いません。
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