一点透視図法
透視図法の中でこの透視図法を最もよく使うと思います。一点透視図法は、画面の中に一つの点を取りそこへ全ての物の線を集めて描くという技法です。
主に長い廊下や風景の奥行きを表現するのに使います。
透視図法はまずアイライン(水平線)を設定します。描き手の目線の高さを決め、次にそのライン上に一点取ります、これを消失点と言います。
全ての建物、景色等の線は全てその一点に集束します。しかし、縦の線はアイラインと垂直に描く必要があります。
ここでは廊下を描いてみましょう。
行き着く所は壁なので消失点を中心に四角を、そして四隅は消失点に向かって引いて行きます。 これで基本図の完成です。あとは物体を、そのラインを消失点に集めながら描いていきます。
上は一点透視図法を使用して、廊下を書いた絵です。
ちなみに、窓の縦の線は窓の四隅からバツの字に対角線を引き、交わった所を基準に引いています。
二点透視図法
二点透視図法は、建物の外観を描く場合などによく用いられます。一点透視図法の応用ですから、一点が分かれば簡単に分かると思います。
一点透視図法の時と同じ様にアイラインを引き、今度は左右二点に消失点を取ります。
今回は家を描きます。そのため二点の消失点の間に、家の角になる線を引きます(これもアイラインに対して垂直に引きます)。高さは任意です。
左右の消失点から上下に線を引きます。これが家の横のラインになります。
家の幅を垂直線で引き、あとは窓やドアを同じく縦を垂直、横を消失点からのラインで描いていきます。
ちなみに、ビルなどの等間隔で窓がある建物の場合、その正確な奥行きを出すためには、消失点から線を均等に引き、面の四角形の部分に角から角へ斜線を引きます。
消失点から引いた線と、斜線の交わった所で垂直に線を引くと、正しい奥行きが表現出来ます。
三点透視図法
左右に二つの消失点を取った二点透視図法に、さらに上下のどちらかに一点取ったものが「三点透視図法」です。上下に消失点を取る事で縦の奥行きを表現する事が出来る様になります。
縦の線は垂直ではなくなります。
二点透視図法で二点取った絵に、上か下にさらに一点取ります。
アイラインの近い位置で取ると近くで見上げる感じになり、遠くに取ると遠くから見上げる感じになります。
任意の場所二点へ、消失点から線を引きます。
横の線、縦の線等間隔で線を消失点へ向かって引いたのが3図です。見上げたビルの骨格が出来たと思います。
逆向きに描いたビル
先ほどの図を逆さに描いた図です。今度は逆にビルを見下ろしている構図になっていると思います。
三点透視図法の奥行の付け方
ビルの様に等間隔で窓などがある場合、正しく奥行きを知るには、二点透視図法の時と同じ様に、面の部分に斜線を引き、横の線との交点の部分に三点目の消失点に向かって縦線を引きます。