漫画制作で必要になる道具

ペン先

ペン軸に挿して使用する、半ば使い捨てのペンの先端パーツ。色々な種類があり、基本的に「丸ペン」以外は、どのペン軸でも使用出来る。以下は種類と描き味。

 

丸ペン

ペン先が非常に固く、強い筆圧を加えてもあまりたわまず細く均一な線が描ける。よく背景などに使用されるが、最近は人物にも使用される事も多い。

Gペン

先端が柔らかく、強弱の効いた線を表現するのに向いているペン先。昔からキャラクターなどを描く事に、プロが最も使用している代表的な存在。ペン自体に「G」の字が浮き出ている。

カブラペン(スプーンペン・タマペン)

細長いドーム型をしているペン先で、スプーンペンとも言われる。ペンの硬さは丸ペンとGペンの中間位の硬さであり、これでキャラクターを描く人も多い。

スクールペン

細身のペン先で、先端はカブラペンよりも硬い。背景を描く事やキャラクターを描く事等、色々な事に使用可能なペン先。室長はこのペン先をメインで使っています。

 

 

ペン軸

ペン先を挿し、線を描くための持ち手のパーツ。様々な大きさデザインの物が販売されており、大概のプロの漫画家は自分用にカスタマイズ(テープを巻き持ち易くする等)している。

丸ペン専用の物と、非丸ペン用もしくは共用の物が存在している。

 

 

ミリペン、ロットリング

筆圧に関係なく、均一な線を描くためのペン。常に均一な線が描け、ペン先と違い360度どの方向へも描けるためとても便利なペン。

背景、コマ枠、フキダシなど無機物に使用される事が多かったが、最近ではキャラクターをミリペンを使用して描いている人もいる様です。

こういったはっきり描くペンは、水性はもとより耐水性ではなく油性を使った方がいいでしょう。水性は水に滲みますし、耐水性でも消しゴムをかけると薄くなります。油性ではその様な事はありません。

 

 

スクリーントーン

漫画における「色」や「影」などを表現する時に使用する、黒色のドット(点)が打たれた透明の薄いシール。表面をデザインカッターなどで削る事ができ、それにより独特のぼかしや重ね貼りした時のオリジナルの効果などを表現出来る。

 

 

漫画用インク

ペン先に付けて漫画を描く時に使用します。漫画専用のインクから製図用インク、墨汁なども使われます。ほとんどの人は専用インクでしょう。やはり原稿用紙で延びが良く、発色も美しいです。

 

 

直定規

一般的な定規です。漫画を描く場合にはエッジの付いた物を選びます。切り込まれているデザインになっているので、原稿に当てた時に紙と定規の間に隙間が生まれ、ペンに付いているインクが間に滲んでいくのを防ぐ事が出来ます。

すでに持っている定規にエッジが無い場合は、裏に十円玉などを複数枚貼り付けて隙間を作ったりします。

 

 

雲形定規

普通の直定規とは違い、曲線だらけの全体が雲の様な形をした曲線を描くための定規です。複雑な形をしており、部分部分でラインの角度が違い、場所を変える事で色々な曲線を綺麗に描く事が出来ます。

 

 

筆ペン

インク付きの筆。ベタ塗りを行う時などに使用するプロも多く、穂にコシがある事から、タンクのインクが無くなった後も、穂にインクを付けて使用し続ける人もいる。

 

 

トレーシングペーパー

半透明の紙。イラストの描かれた原稿の上に置き、下のイラストを写し取る(トレース)ために使われる事が多い。

他にも漫画などの絵にかかる部分のセリフ、文字などを指定する場合に、かかる場所にトレース用紙を置きテープで固定、そのトレース用紙にセリフ、文字を記入、などで必要になる。トレーシングペーパーとも言う。

 

 

トレース台

表面が透明板で出来ていて、下から発光し置いた紙を透けさせる仕組みになっているツール。透明版に絵が描かれている原稿を置き、その上にさらに紙を置いて下からライトを当てると、下の紙が透けて見える様になる。

それによって下の絵を上の紙にトレースする事が出来る様になる。利用頻度が高く、プロや同人作家はほとんど所有している。透明なテーブルや、ガラス、アクリル板を置いて、その下から懐中電灯などを当ててやるお手軽な方法もある。

 

 

漫画原稿用紙

漫画を描くための紙です。投稿用はB4、同人誌用はA4が基本で、イラストボードという厚手のボードもあります。

上質紙やケント紙などが使われていましたが、最近は漫画専用原稿用紙が販売されています。こちらを使った方が良いでしょう、目盛りやトンボ、ノンブル等必要なものが最初から印刷されてあり非常に便利です。

 

 

デッサン人形

デッサン用の人体模型です。色々な物がありますが、よく見かける木製の物はやめておいた方が無難です。あまり体が動かず好きなポーズを取らせる事が出来ないからです。

今はパソコン上で好きに手足の長さ、ポーズを変えられるフリーの3Dデッサン人形ソフトがあります。最も有名なのは「デザインドール」でしょう。

 

 

コピックスケッチ

速乾性のアルコールマーカーペン。.Tooが販売している。左右にスーパーブラシ(穂先が筆の様なブラシ)とミディアムブロード(平行四辺形の様な硬いブラシ)が付いており、発色と揮発性が高く、乾いた上から重ねぬりをする事で重厚な塗りを表現する事もでき、非常に人気の高いツール。

プロが常用しており、イラ稿などを描く時にもよく使用されている。膨大な色数があり、インクは補充可能。専用のエアブラシセットに取り付ける事で、エアブラシとしても使用する事が出来る。

コピックには系統として、数多くの種類が存在しており、「コピックスケッチ」はその中の一種。

 

 

絵の具

絵の具は「透明水彩」と「不透明水彩」があります。漫画制作でよく使われる種類としては、「水彩」「カラーインク」「ポスターカラー」「アクリル」等がある。

水彩はお馴染みの透明水彩絵の具です。カラーインクは透明水彩で非常に発色が綺麗なビンに入っている液状の物です。プロもよく使用する画材ですが高いです。

ポスターカラーは不透明水彩で、白はよくホワイトがけで使われます。アクリルは透明水彩。アクリル樹脂が混ぜてあり乾くまでは水に溶けるが、乾ききると完全に固形化するので修正は効かなくなる。

厚く塗り重ねていくと油絵の様な表現も可能となります。アクリルには「ガッシュ(アクリルガッシュ)」と呼ばれる物もあり、こちらは不透明水彩です。ポスターカラーにせよアクリルにせよ、水をたっぷり含ませれば透明水彩の様な表現は出来ます。

 

 

色鉛筆、パステル

使う人は使っているが、漫画界ではほとんど使用した作品は見かけない。

 

 

一般的な筆が使われる。特に面相筆はよく使われている。

 

 

エアブラシ

空気圧で絵の具を飛ばし彩色するツール。コピックでも専用のツールを購入すれば代用出来るので、アマチュアはわざわざ大掛かりな機械を購入する必要は無い様な気がする。