バックギャモンの基礎知識

バックギャモンとは

バックギャモンの写真

バックギャモンは日本では「西洋双六(せいようすごろく)」とも言われ、2人で行う1対1の対戦ゲームです。双六と同じくサイコロを振り駒を進めていきます。

世界最古のボードゲームといわれており、日本には平安時代には伝わり広く遊ばれていました。平安時代の随筆「徒然草」にもバックギャモン名人の逸話が収録されています。

バックギャモンの発祥は中東と考えられており、カード、チェス、ドミノ、バックギャモンと世界4大ボードゲームに数えられ、一対一のテーブルゲームでは世界最大の遊戯人口(3~5億人)を誇ります。毎年7月にモナコ公国のモンテカルロにおいて、バックギャモンの世界大会が1週間にわたり開催されます。

 

バックギャモンで必要な道具

バックギャモンで使用する道具は以下です。

・ボード 1台

・ダイスカップ プレイヤー各1個

・駒 プレイヤー各15個

・サイコロ プレイヤー各2個

・ダブリングキューブ 1個

 

ボード

バックギャモンのボードの各エリアの解説
ボードはマス目を表す三角形(ポイントと呼ぶ)が色違いで片側12個、上下合わせて24個描かれています。このポイントを進む1マスとして駒を進めていきます。複数の駒が同じポイントに止まった場合、上に積み上げていきます(タスク)。

ボードは中央の仕切り(バー)と上下で区切り4エリアに分けられています。

 

自分のインナーボード

ゴール手前の6つのポイントを指す。

自分のアウターボード

インナーボードからバーを挟んで次の6つポイントを指す。

相手のインナーボード

相手のゴール手前6つのポイントを指す。

相手のアウターボード
相手のインナーボードからバーを挟んで次の6つのポイントを指す。

 

駒・サイコロ・ダイスカップ

駒はプレイヤー1人につき15枚。相手から攻撃(ヒット)を受け振り出しに戻されることはありますが、自ら後ろに戻ることはできません。

サイコロは1人2個ずつ使用します。2個を1度にダイスカップに入れ、ボード右側に逆さにして振り出します。

ダイスカップは1人1個ずつ使用します。

 

ダブリングキューブ

バックギャモンではゲームの得点を倍にすることができます。その時に使用するのが「ダブリングキューブ」というサイコロです。ダブリングキューブには「248163264」と記されており、ゲームの倍率を示しています。

ダブリングキューブは「現状の倍率」を示すもので、ダブリングキューブを振って倍率を決めるわけではありません。ゲーム開始時は中央に配置しますが、ダブルがかかっている状態ではキューブの置かれた位置により、次にダブルをかける権利のあるプレイヤーを示します。まだダブルが行われていなければキューブは両者の真ん中に置かれています。

ゲーム中に自分が有利だと判断したら「ダブル」を提案できます。ダブルは勝利時の得点を倍にすることです。では自分がダブルをしたいと判断した時の実際の流れが以下です。

 

1 ダブルの宣言

自分の手番になったらサイコロを振る前にダブリングキューブを手に取り、「2」の面を上にして「ダブル」と宣言し相手に差し出す。

 

2 – 1 相手が受けない場合

相手は「パス」と返答。そしてパスするとこの時点でゲーム終了となり、パスしたプレイヤーは負けが確定。この時、自分に得点が加算されるのではなく、パスした相手の得点が1点減点される。

 

2 – 2 相手が受ける場合

相手は「テイク」と言い自分の傍にダブリングキューブを置く。ゲームは続行され、どちらが勝ったにせよ勝者の得点は倍になる。

ダブルは連続では出来ない。自分がダブルした後は相手にダブルの権利が移行するため、受けた側がキューブを傍に置く。これにより現在どちらにダブルの権利があるかが一目瞭然になる。

 

基本用語

バックギャモンのバックマン
・バックマン
相手陣地にある駒。

 

・アンカー
相手のインナーボードに作ったブロックポイントのこと。さらに「ハイアンカー」は駒の進行方向に向かって前方(18~21pt)に作ったアンカー。「ローアンカー」は駒の進行方向に向かって後方(23、24pt)に作ったアンカー。

アンカーは相手ゴール付近に作るブロックポイントなので、対戦相手に強い不自由をもたらします。

 

バックギャモンのプライム
・プライム
ブロックポイントが6つ連続している状態。

 

・ビルダー
重要なブロックポイントを作るのに必要な駒。作りたいptから6pt以内の駒。

 

駒の並びの用語

バックギャモンの駒の並び
・スタック
1つのptに5つ以上の駒が重なっていること。一か所に駒が集まりすぎると効率が悪くなり、良い出目が少なくなります。

 

・死駒
1ptにある3つ目以降の駒。1pt(ゴール目前のマス)の駒は、もうベアオフ(ゴールイン)以外することがありません。2つまでの駒は相手のエンターを妨害するブロックポイントの形成という点で意味がありますが、3つ目以降は意味がありません。ヒットもできないため駒の働きの効率を考えると悪い駒となります。

 

・スペアチェッカー
ブロックポイントの3つ目以降の駒。スペアチェッカーがあれば新たなブロックポイントを作ろうとして駒を動かしても、そのptのブロックポイントは残しておけます。極力スペアチェッカーを盤上に満遍なく配置できれば良い出目が多くなりゲームを有利に運べます。

 

・ストリップ
ブロックポイントにスペアチェッカーがいない状態。新たなブロックポイントを作ったり、相手の駒をヒットしにいったり等、動かすとブロックポイントが解消されてしまいます。ブロックポイントはスペアチェッカーが乗っているのが理想です。

 

駒の動きの用語

・スプリット
バックマンを割って一方を動かすこと。「マイナースプリット」は出目「1」や「2」でスプリットすること、「メジャースプリット」は出目「3」~「6」でスプリットすることをいいます。

 

・エスケープ
バックマンを脱出させること。

 

・ポイントオン
相手の駒をヒットしつつ、そこにブロックポイントを作ること。

 

・ポイントメイク
2つの駒を重ねてブロックポイントを作ること。

 

・インナーメイク
インナーボードのポイントを作ること。

 

棋譜のつけ方

バックギャモンの棋譜のつけ方
バックギャモンの棋譜は頭に出目、その後ろに移動前移動後スラッシュ(/)で区切り表記します。上図では5ptの駒を1pt、6ptの駒を4ptに進めています。この時の書き方は「42: 5/1,6/4」と2回の動きをコンマで区切って表記します。

2つの出目で1つの駒を動かした場合は2回進めた分をまとめて表記します。例えば6ptの駒を出目「2」と「3」で2回進めたのなら「23: 6/1」と表記します。

 

相手の駒をヒットした場合
末尾に「*(アスタリスク)」をつけます。例「〇〇: 6/2*」。

 

エンター(バーから盤上に戻る)した場合
ptを表す数字ではなく「bar」と英単語をつけます。barを25と表記するやり方もあります。
例「〇〇: bar/23」。

 

ゴール(ベアオフ)した場合
末尾に「off」と英単語をつけます。offを0と表記するやり方もあります。
例「〇〇: 6/off」。

 

複数の駒を同じ動きをさせた場合
末尾に「(2)」と枚数をつけます。ヒットしている場合は*もつけます。
例「〇〇: 6/2 (2)」、「〇〇: 6/2*(2)」。

 

勝敗と得点

バックギャモンでは、1ゲーム終了ごとに勝者に得点を付与し、その合計点で勝敗を決めます。ゲームには「ポイントマッチ」と「アンリミテッドマッチ」があります。

ポイントマッチは最初にゲーム回数を決めて行うゲーム、アンリミテッドマッチはゲーム回数を設定せずに行うゲームです。バックギャモンの大会などでは通常ポイントマッチが採用されています。

 

通常勝ち→1点
片方のプレイヤーが全ての駒をゴールさせて勝利。
相手も駒を1つ以上ゴールさせている。

 

ギャモン勝ち→2点
片方のプレイヤーが全ての駒をゴールさせて勝利。
相手は駒を1つもゴールさせていない。

 

バックギャモン勝ち→3点
片方のプレイヤーが全ての駒をゴールさせて勝利。
相手は駒を1つもゴールさせていない。
相手の駒が勝者側のインナーボードもしくはバーに残っている。

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