どうも、ロスジェネおじさん(@lg_oji)です。
今回は龍が如く7 光と闇の行方をプレイしました。発売してすぐプレイするつもりが、なんと本作からコマンドバトル(ドラクエ式)になりスルーした一本。セールだったこともあり、この度4年越しにプレイしてみました。
結論としては予想を上回る面白さでした。
タイトル | 龍が如く7 |
---|---|
プラットフォーム | ps4 ps5 Xbox One Xbox Series X/S SeriesX/S PC |
ジャンル | ドラマティックRPG |
開発元 | セガ第一CS研究開発部(龍が如くスタジオ) |
発売元 | セガ |
発売日 | 2020年01月16日 |
面白かった点
ストーリーは秀逸、だが問題もある
龍が如くシリーズもジャッジシリーズもそうですが、ストーリーは全体の2/3まで面白く、最後の1/3が荒唐無稽になるのは本作も一緒。さらに相手を殺害する方法として爆弾を使い、派手に爆殺する狂った点も同じ。普通、誰かを殺害しようとするなら、できるだけバレないように(殺人があった事さえ気付かれないように)実行するもの。爆弾でドカンなんて辺り一帯に俺は殺したぞと宣言しているようなもの、確実に殺人事件として捜査も始まります。

おせっかいカメラが消えた
私は龍が如く 極1、2、龍が如く0をプレイしましたが、操作キャラに合わせてカメラの向きが自動で変わる、私が呼ぶところの「おせっかいカメラ」があった。従来の龍が如くシリーズは、このおせっかいカメラをオフに出来ず死ぬほどイラついていました。本作は念願のオフ機能あり。オプションで見た時、我が目を疑い、そして即オフにした。素晴らしい進歩ですね。

現代日本の世相を知れて面白い
ジャッジアイズやロストジャッジメントなどには、現代日本の社会問題や裏モノ的雑学が含まれているが、本作にも同様だ。現在は法改正により事実上、新規にソ〇プ点を開業することができないとか、デモ行進は歩き続けなければならず、止まってはいけないなんて初めて知りました。
居住者がいれば簡単には立ち退かせられない「借地借家法」は、私も知っていました。できればこの法律が日本の賃貸市場に悪影響(長く住みたくなくなるような物件ばかりになる)を及ぼしている点も言及してほしかった。


サブクエストが多少マシになっていた
龍が如くシリーズは前からサブクエがつまらない。ジャッジアイズはメインストーリーの出来が良い分、サブクエのストーリーの幼稚さに唖然としました。本作はサブクエのストーリーが多少ですがマシになっていました。これまではサブクエは単発で取って付けたような話でしたが、連続物になり1回で終わらない。そのおかげで表現に余裕が生まれ手が込んだのかもしれません。ただ、本当に多少ましになっただけですが。

気になった点
ストーリーは面白いものの違和感もある
ストーリーは総じて面白かったが、問題が無かったわけではない。まず登場人物たちが年齢不相応に幼稚な点。これは日本のゲーム脚本あるあるだ。皆、子供っぽく感傷的、少女趣味的感性の持ち主ばかりですぐに泣く。人格も善人は善人、悪人は悪人と一面的で見た目は中年、心は少年な人物ばかりだった。
さらに、なぜそんな行動をとるのか納得できないことも多い。春日達は乙姫ランドの店長野々宮が殺害され犯人捜しに狂奔する。だが出会って一日2日のバイト先の店長が殺されたぐらいで、ここまで義憤に駆られるのはおかしいだろう。
紗栄子にしても野々宮の死でポロポロ泣きますが、深い仲でもなく仕事を紹介してくれた相手でしかない。その程度の間柄で犯人捜しに協力するのは不自然です。そもそも気の強い紗栄子が人前で平気で泣くこと自体ピンとこない。人物造形が甘いのではないか。
まあ、難波みたいに袖すり合った程度の縁で命がけの抗争についていくのはおかしいと思っていたら、思わず膝を叩くサプライズもありましたが。
首を捻る展開も多い。今日入ったばかりのバイトにいきなり事務をやらせたり、他にやりようがあるのに爆弾で殺そうとしたり(殺人行為をアピールするようなもの)、偽札作りで巨額の利益を上げていたり(偽札なんて儲からない。だから世界の犯罪組織は薬物の違法売買などに手を出すもの。国としてやっていたのは北朝鮮ぐらい)。荒唐無稽だったりご都合主義的だったりした点はマイナス。

バトルは大技連発になりがち
バトルはまず技が多過ぎて一つ一つの技の有難味が無い。性能が重複することも多い。本作は大量のアイテムを持てるため、HPにしろMPにしろ回復に困ることがない。大技はMP消費が非常に激しいが、アイテムでほぼ無限に回復可能だ。結果、後半はただ大技を連発するだけの戦闘になる。
この手のレトロな戦闘に期待するものは、それぞれの性能の違う個性的な技を、適切な場面で選択していく、つまり段取りを考えるのが面白さの核だ。そういったコマンド選択式バトルの良さが、大量アイテム所持によって破綻させられていた。

相も変わらずモーションの使いまわし多し
主要キャラも、モブキャラもモーションが以前の作品の使い回しが多い。もうこれは定番でセガは新しいモーションを追加する気が無いらしい。いつも通りのシステム、モーションに、キャラとムービーのCGだけ入れ替えて量産すればよいという姿勢が感じられて残念に思います。7はシリーズ初のコマンド選択式バトルに舵を切った野心作なので、何もかもガラリと作り変えてくると期待しただけに肩透かしでした。
ただ、主人公である春日一番のフィールドを走るモーションは良かった。一番の性格をよく表していた。
持てる物が多過ぎる、アイテムの種類も多過ぎる
本作はほとんど無限と思えるほど物を持てる。一つのアイテムが10個までといった制限はあるが、そもそもアイテムの種類が多い。現実感を出すためなのかおにぎりや弁当、サンドイッチや菓子類など多種多様だ。それらを10個ずつ持てばまず回復で困ることはない。さらに同じような効果のアイテムばかりなのも無駄が多い。
ドラクエ的なレトロRPGの面白さとは、制約の中で最大の効果効用を目指す創意工夫にあります。限られた所持数にどれを持っていくか、薬草ばかりじゃなく毒消し草も持っていくべきだろうか、HPは減っているがこの辺りの敵なら、もう一戦出来るし、その後回復するべきかとか。そしてそういった予測が見事に当たった時、上手くいったと面白いわけです。
ほとんど無限に持てるアイテム、ボス前の体力全回復や倉庫使用は、レトロRPGの持つダンジョンでのヒリヒリ感を喪失させていました。
いつもの面白くないミニゲーム達
ミニゲームも過去作とほぼ同じ。古いセガのゲーム、スカスカのUFOキャッチャー、ゴルフのニアピン、中途半端なマリオカートなど。どれもハマるクオリティではありませんでした。



EDロールがスキップできない
ゲームクリアでスタッフロールが流れますがスキップできない。後ろで輩っぽい音楽が鳴っていましたが、好みでないので早く終われよとイライラしました。今の若いゲーマーはどうか知りませんが、私のようなおっさんゲーマーはエンディングの後に何か起こるのではと、最後まで見てしまうんですよ。結局何もありませんでしたが。
契約の関係でスキップできない仕様だったんですかねえ。
まとめ
プレイして気付いたのが龍が如く7は、主人公を桐生一馬から春日一番に変え、龍が如く1をもう一度やり直している点です。主人公が物語早々に殺人の冤罪で収監。長い期間を経てシャバに出てくると以前のヤクザ社会が様変わりしており、かつての信頼できる人物が敵になっている。仕切り直しなんですかね。
ストーリーに関しては不満もありますが、総じて面白く、ゲームを続ける最大の原動力だったのは間違いありません。終盤に入って不満が多くなりましたが、十分楽しめました。
本作最大の特徴(変化)であるコマンドバトルは、きっと取って付けただけの物だろうと考えていました。しかし、本作の面白さの3割か4割は、このバトルシステムからもたらされていました。
ドラクエ的なバトルは一種のパズルです。どの敵にはどの攻撃を行うか、誰にどのタイミングで回復をさせるか、そういった段取りを考える面白さを久しぶりに感じられました、後半にただ大技を連発するだけになる前までは。
やっぱり新しい武器や防具を買い、装備させた後のパラメータがグッと上がったのを見ると楽しいんですね。そうだ、子供の頃RPGをやっていてこういう楽しさを感じたなあと、レトロRPGをやっていた頃の記憶が蘇りましたね。
何度も言及しているようにアイテムはほぼ無限に持てるため難度は低め。龍が如くは興味があったけど、アクションが苦手で敬遠していた人は、本作で入門するのがピッタリでしょう。
コメント