最近ファイナルファンタジー(以下FF)が元気が無い。最新作FF16は販売本数350万本と低迷(前作は1000万本)。多分13あたりからFFを小馬鹿にする風潮が生まれた。私の世代ではFFはゲームの一大ブランド、ドラクエと双璧を成す存在だった。そんなFFシリーズはなぜ苦しんでいるのか。
思うにナンバリング毎に一意性を持たせたのが原因だろう。普通、同じシリーズなら同じシステムを採用する。好例はドラクエだ。上っ面を変えても根本は同じ。だがFFは1~6までは似ていたが、7~10は映画的な手法に舵を切った。それ以降は毎作異なったシステムだ(オンラインゲームは除く)。
最新作で常に新しい試み、つまり別作品化すると、それ以前のファンを敵に回す。あるFFで面白いとファンになる。その続編を買うとまるで別ゲームだったらどうだろう。こんなのFFじゃないと拒絶するはずだ。1作目(ADV)のファンは2作目(落ち物パズル)を叩く。2作目のファンは3作目(FPS)を叩き、1作目のファンも3作目を叩く。このサイクルが繰り返されると、最新作が発売される度にアンチが増える。今作のファンが次作のアンチになる。それでいてファンは最新作の1作分のみだ。シリーズが続くほどアンチは累積するのに対し、ファンは常に1作分。
FF16に対する批判も、よく見るとどれも内容が異なる。やれコマンドバトルじゃない、ジョブシステムがない、キャラがおじさんで魅力がない、10の様な感動的な物語じゃない。これはそれぞれのFFにファンが付いており、同じゲームタイトルのファンでも、同じゲームジャンルのファンではないからだ。同じFFファンでもFFらしさの解釈が異なっているのだ。今のFFはそれら本来別ゲームを遊ぶべき、好みの異なるプレイヤーの期待に答えなければならない。ADV、落ち物パズル、FPSが好きな人達全員を満足させるゲームなんて作れるだろうか。
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