どうも、ロスジェネおじさん(@lg_oji)です。
発売前の発表から注目していましたが、いざ発売してみるとSteamの評価が芳しくなく、購入を躊躇っていた本作。今回Steamでセールとなり、PS5の評価は高いことを知り購入してみました。
タイトル | WILD HEARTS |
---|---|
プラットフォーム | ps5 Xbox SeriesX/S PC |
ジャンル | 狩猟アクション |
開発元 | コーエーテクモ |
発売元 | ELECTRONIC ARTS |
発売日 | 2023年02月17日 |
攻撃モーションは爽快感抜群
キャラクターの動きはとても良い。重みがあり質量がしっかり感じられる。モンスターハンターワールド(以下MHW)よりもホライゾンゼロドーンに近い。ただ、動きに洋ゲーあるあるの慣性が働き、キビキビした動きができない点はストレスだった。細い板などはよくズレて落っこちることが多かった。

攻撃モーションはカラクリ刀ばかり使ったため、それしか分からないが爽快だった。適度に重みとスピード感のある動きで、キャラの移動も伸びもあり縮こまっていない。一旦刀を収めてからの連続切りは最も楽しい瞬間で、あの連続切りのためにカラクリ刀を使っていたと言っていい。戦闘に関しては本家モンハンに全く引けを取らない。
戦闘モーションに文句があるとすれば、必殺沢が途中でキャンセルできないことぐらい。
カラクリは使いこなすことが必須


ワイルドハーツとモンハン最大の違いがカラクリだ。戦闘中に色々なお助け道具を使えるが、正直無くてもよかった印象。様々なカラクリを組み合わせたり、独創的な使い方をすることで狩りが劇的に効率化したりといったことはない。大型獣は強く、カラクリを使うことが前提で使いこなせないとかなり厳しい。特定の大型獣にはこのカラクリ、大型獣がこのアクションをしたらこのカラクリといったように攻略が定型化しがちで、ゼルダのゾナウギアのように組み合わせの妙を楽しむものではない。慣れてくるとただただ作業になってしまった。


初期のカラクリはボタン一回で発動するが、少しストーリーが進んで作れるようになる大型の物は初期カラクリボタンを何度も押して作成する。これが覚えにくいし、初期カラクリの4つの配置を入れ替えてしまうと、コマンドが変更されてしまう。なぜ、こんな使い辛い方式にしたのか。特定のボタン(またはボタンの組み合わせ)に任意で登録できた方がずっと便利だ。自分で登録を変更しない限りボタンコマンドが変わることもない。
ゲーム中は焦っているため、BBXBBXなどの簡単に思えるコマンドもミスしてしまいがちだ。私は大事な所ではコントローラーを見ながら一定のリズムでボタンを押すという七面倒臭いことをやっていた。
マップを改造していく面白味

それぞれのマップに自分で様々なカラクリを設置できる。一度設置すると撤去しない限り消えないため、自分だけのマップが完成する。近道を作るためにこことあそこを結ぼうとか、あの大型獣はいつもこのルートで逃亡するから、この道、この場所にこのカラクリを設置しておこう等、ジオラマを作っていくような工夫を楽しめる。

拠点となる町の湊にもカラクリは設置可能。
マッチングしやすく効率的

ワイルドハーツでは狩りに出かける前だけでなく、狩りの最中でもマッチング可能。フィールドにある小さな鳥居のような門があり、青白い渦が出ていれば他プレイヤーの狩りに参加できる。さらにカラクリの焚火をフィールドに設置することで、そこから新規の狩りに行けるしマッチングも可能。つまりどこからでもオンラインプレイ可能となっている。MHWが拠点からしか狩りに行けなかったのと比べて、ずっと使いやすい仕様となっている。
キャラデザイン良し

発売元はEAだが開発はコーエーらしい。そのためかキャラデザが良い。日本のゲーム会社は美形だらけにしてしまうし、海外メーカーはバタ臭いデザインにする。本作にも美形は登場するが、脂っこくなくクドさのない美形だ。さらに美形ばかりではなく厳つい顔、悪人面、東アジア人はしっかり東アジア人の顔で嬉しい。


上が私が作成した主人公の獅狩。雄々しい歴戦の猛者である。
武器は種類が少なく使い難い

武器は正直カラクリ刀以外つまらない。全武器を試したが今一つ。しかも最初から全ての武器がアンロックされていない。もし最初の武器でつまらないとプレイヤーが感じたら、そこでプレイを止めてしまうだろう。開発者はそういった危険を考えなかったのだろうか。
本作は全体的にプレイに必要なテクニックが高いと感じた。特に変形棍は複雑怪奇。操作を覚えるのも大変で、使いこなすなら随分練習しなければいけないだろう。ゲーム歴の長い私がそう思う位だから、アクションゲームが苦手な人はまず使えない。敷居を上げ過ぎているのではないか。
ラグが酷過ぎる
ゲームとしては面白いにも関わらず、本作がSteamで低評価な最大の理由がラグだ。
私のPCスペックは以下。
- CPU:Ryzen5 3600
- メモリ:16GB
- ストレージ:SSD
- グラボ:GeForce GTX 1660 SUPER
決して高くないスペックだが、Steamのページを見ると最低と推奨の間位だ。最初は標準画質で始めたが若干重い。だがプレイに支障があるほどではないため、Steamレビューのラグに対する辛辣なレビューに、怒り過ぎじゃないのと感じていた。

だが、冬塞ぎの孤城という雪ステージに行くと、吹雪の所為なのかとんでもないラグが発生。FPSを確認すると20前後でカックカク。ステージボスはすばしっこく攻撃エフェクトも派手だったためFPSは10を切り、何が何やら分からないまま戦った。ここまでラグが酷いとレビューが荒れるのも仕方ない。私はこのステージ以降、画質を最低にして遊んだ。それでもこの雪ステージは重いままだった。
ストーリーはあってないようなもの
本家モンハンもそうだが、ストーリーは大型獣を狩るための取って付けたようなもの。それでもMHWがそこそこ先が気なったのに比べ、ワイルドハーツは全然興味をそそられなかった。ストーリーなんておまけのゲームだから、どうでもいいと言えばどうでもいいのだが。
ゲーム内用語の説明不足

本作には防具に活人流と獣道流というよく分からない二流派がある。だが、ヘルプを読んでもこの違い(戦闘における具体的な効用)が全く書かれていない。私は大抵防御力が高い獣道流を選択したが、今でも正しかったのか分からない。
他にも防具作成で必要な素材は書かれているが、どの獣から採れるのか書かれておらず困った。大型獣に関しては狩り続けると段々どの部位からどの素材が採れるか、冒険手帳に自動で記帳されるが、その辺のフィールドにいる小獣の素材は冒険手帳を見ても書かれていない場合があり困った。全体的に不親切な印象。
総評
事前知識はMHWに似せてきた印象だったが、プレイしてみると本当にMHWとそっくり。最大の違いであるカラクリ(戦闘中に飛び跳ね台や大木槌などを瞬時に作成し、戦闘に活用する)はフォートナイトの建築そっくり。つまり、MHW+フォートナイトという、開発当時、ヒットしていたタイトルを混ぜ合わせて作った、ジェームズ・W・ヤングの「アイデアのつくり方」を地で行く内容でした。(新しいアイデアとは既存のアイデアの新しい組み合わせ)。
ゲームとしては十分面白く、MHWを楽しめた人なら自分と同じく楽しめるでしょう。戦闘モーションも斬撃の音もモンハンに引けを取らない出来の良さ。大型獣の攻撃バリエーション(ユニークさ)は、何か飛ばしてくるか、突っ込んでくるかの二択でしかないMHWより、こちらワイルドハーツの方が出来がよかったです。ただ、防具は微妙に格好悪いものばかりでしたけど。
ラグの所為で不評ですが、ゲームの面白さは十分で決して「賛否両論」になるゲームではありません。まだまだオンラインで人もいるので、セールなら是非プレイしてみるのをお勧めします。
ただ、残念なことに本作はすでに公式サポート終了がアナウンスされています。面白いゲームであるだけに残念です。オンライン終了の噂さえあるため、遊びたい人は急いだ方がいいでしょう。
ストーリーは4章までで(ゲームは5章まである)、そこまでの総プレイ時間は63.7時間でした。一直線にストーリーを終わらせようとすると20時間程度かもしれません。
コメント